解説 「子供を犯罪者に育てる方法」:少年犯罪の原因―絵本で描く「非行」の心理 それまで「優等生」だった子供が、ある日を境に突然、非行に走る。少年犯罪を繰り返す。 「あんなに良い子だったのに、…優等生だったあの子がなぜ犯罪なんか?」 ―そんな非行や少年犯罪の心理・原因にも、善悪の錯覚が深く関わっているようです。 善悪が生む様々な錯覚について考えれば、子供が優等生となるのも非行少年となって少年犯罪まで犯してしまうのも、そもそも同じ原因―いわばコインの裏表―である可能性が理解できます。 そうすれば、上記の質問「なぜ優等生が少年犯罪?」が、どれほど無意味なものかも、お分かりになっていただけるはずです。 「良い子の優等生だった。しかし、今は少年犯罪を繰り返す」では有りません。 「良い子の優等生だった。だからこそ、今は少年犯罪を繰り返す」ではないでしょうか? 善悪の恐ろしさは、「子供を少しでも良い子に育てたい」「非行や犯罪など絶対にやってほしくない」 ―そんな親の当たり前の願いや愛に対する「罠」として働くところにあります。一所懸命、子供を教育したつもりになって(子供を教育したと錯覚して)、その実、何一つ、教えていない。しかし、善悪が目隠しとなって、それに気づかない…。 子供というのは、基本的に単純なものです。未熟であるがゆえに、簡単に落ち込み、絶望します。感情コントロールに不慣れなため、ちょっとしたことで「切れ」ることがあるのです。 そして、一時的に切れた子供がそれでも非行や少年犯罪にまで至らないためには、普段からの教育がとても大切です。しかしながら、子供を教育したつもりになって実際は何も教育していなければ、取り返しのつかないところまで子供が突っ走ってしまい、非行や少年犯罪を犯したとしても、何ら不思議なことはありません。 この絵本「子供を犯罪者に育てる方法」では、そんな「教えたつもりになって教えていない」善悪の錯覚、非行や少年犯罪に至る子供の心理を、出来るだけ単純化して描いたものです。 善悪が生む錯覚は、戦争・テロ・宗教の対立・人種差別などの原因となるだけではなく、この絵本で見るとおり、ごくごく身近なところで子供たちの心を蝕み・傷つけ、非行や少年犯罪の原因にもなっているのです。(善悪の錯覚は、無差別殺人の土壌ともなるでしょう。無差別殺人につながる善悪の錯覚については、絵本「どっちだ?」をご参照ください) いうまでもなく、犯罪は被害者にとっても、また、加害者にとっても、大きな悲劇です。深刻な犯罪は、ときに被害者や加害者の一生を狂わせてしまいます。さらに、申し上げれば、21世紀の初頭現在において、この善悪の錯覚の恐ろしさに気づいている人は、決して多くは有りません。善悪の錯覚は放置されたまま、様々なメディア、教育機関、宗教団体、先生方、保護者(親)の手によって、世界ベースで、(もともとは愛を動機として)善悪の大切さばかりが強調され続けているのです。そして、悲劇が繰り返されています いわば、人類を飲み込む巨大なマインドコントロールの渦が、回転をし続けているのです。 本文来源:https://www.wddqw.com/doc/8e32184cc850ad02de80419c.html