唐诗十首(中日互译)

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唐诗十首(中日对照) 遊子吟 (孟郊)

慈母手中線 慈母 手中の線 遊子身上衣 遊子 身上の衣 臨行密密縫 行に臨んで密密に縫

意恐遲遲歸 意は恐る 遲遲として歸らんことを 誰言寸草心 誰か言う 寸草の心 報得三春暉 三春の暉に報い得んとは

漁翁 (柳宗元)

漁翁夜傍西巌宿 漁翁 西巌に傍うて宿す 暁汲清湘然楚竹 暁に清湘を汲んで楚竹を然く 煙銷日出不見人 煙銷日出でて 人を見ず 欸乃一聲山水緑 欸乃一声 山水緑なり 廻看天際下中流 天際に廻看して中流を下れば 巌上無心雲相遂 巌上 無心に雲相遂ふ

望岳 (杜甫)

岱宗夫如何 岱宗 夫れ如何 斉魯青未了 斉魯 青未だ了らず 造化鐘神秀 造化は神秀を鐘め 陰陽割昏暁 陰陽は昏暁を割く 盪胸生曾雲 胸を盪して曾雲生じ 決眦入帰鳥 眦を決して帰鳥入る 会当凌絶頂 会ず当に絶頂を凌いで 一覧衆山小 一たび衆山の小なるを覧るべし

涼州詞 (王翰)

葡萄美酒夜光杯 葡萄の美酒 夜光の杯

欲飲琵琶馬上催 飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す 醉臥沙場君莫笑 酔ひて沙場に臥す 笑ふこと莫かれ 古來征戦幾人囘 古来 征戦 幾人か回る

春望 (杜甫)

國破山河在 國破れて山河在り 城春草木深 城春にして草木深し

感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺(そそ)

恨別鳥驚心 別れを恨みては鳥にも心を驚かす 烽火連三月 烽火(ほうか)三月(さんげつ)に連なり


家書抵萬金 家書萬金に抵()たる 白頭掻更短 白頭掻()けば更に短く

渾欲不勝簪 ()べて簪(しん)に勝()へざらんと欲す

尋隱者不遇 隱者を尋ねて遇はず (賈島) 松下問童子 松下童子に問へば 言師採藥去 言ふ師は藥を採りに去くと 只在此山中 只此の山中に在らん 雲深不知處 雲深くして處を知らず

静夜思 (李白)

牀前月光見 牀前 月光を見る

疑是地上霜 疑うらくは是れ地上の霜かと 頭挙山月望 頭を挙げて山月を望み 頭低故郷思 頭を低れて故郷を思う

夜宿山寺 山寺に宿す (李白)

危樓高百尺 危樓 高さ百尺 手可摘星辰 手に星辰を摘むべし 不敢高聲語 敢えて高聲にて語るなかれ 恐驚天上人 恐るらくは 天上の人を驚かしめん

奬進酒 李白

君不見黄河之水天上來 君見ずや 黄河の水 天上より来るを 奔流至海不復廻 奔流し海に至って 復た廻らず

君不見高堂明鏡悲白髪 君見ずや 高堂の明鏡 白髪を悲しむを 朝如青絲暮成雪 朝には青糸の如きも暮れには雪と成る 人生得意須盡歡 人生 意を得れば須らく歓を尽くすべし 莫使金樽空對月 金樽をして空しく月に対せしむる莫かれ 天生我材必有用 我が材を生ずる 必ず用有り 千金散盡還復來 千金散じ尽くせば 復来たらん 烹羊宰牛且爲樂 羊を烹 牛を宰して且く楽しみを為さん 會須一飮三百杯 会ず須からく 一飲三百杯なるべし 岑夫子 岑夫子 丹丘生 丹丘生

奬進酒 将に酒を進めんとす 杯莫停 杯を停むる莫かれ 與君歌一曲 君が与めに一曲歌わん

請君爲我傾耳聽 請う君 我が為に耳を傾けて聴け


鐘鼓饌玉不足貴 鐘鼓 饌玉は貴ぶに足らず 但願長醉不用醒 但だ長酔を願いて醒むるを用いず 古來聖賢皆寂莫 古来 聖賢皆 寂莫

唯有飮者留其名 唯だ飲者 のみ其の名を留むる有り 陳王昔時宴平樂 陳王 昔時 平楽に宴し 斗酒十千恣歡謔 斗酒十千 歡謔を恣し 主人何爲言少錢 主人 何爲ぞ銭少なしと言わん

經須沽取對君酌 経ちに須く沽い取り君に対して酌ぐべし 五花馬 五花の馬 五金裘 五金の裘

呼兒奬出換美酒 児を呼び将き出し美酒に換えせしめ 與爾同銷萬古愁 爾と同に銷さん萬古の愁を

登幽州台歌 幽州の台に登る歌(陳子昂)

前不見古人 前に古人を見ず 後不見来者 後に来者を見ず 念天地之悠悠 天地の悠悠たるを念ひ 独愴然而涕下 独り愴然として 涕下る




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