日の夜の編集長はだいたいスケジュールが決まっています(テレビの)。午後11時30分からSaturday Night Live、午前12時30分から『攻殻機動隊 Stand Alone Complex』(英語吹き替え版)をみて1時に寝るのです。 というわけで、昨日はコリン・フゔレルがホストのSNLを見て、いつもの通りCartoon Networkにチャンネルを合わせ、草薙素子少佐を堪能したのです。さて、昨日のエピソードは第12話「タチコマの家出、映画監督の夢」でした。 タチコマ? はて? 原作ではフチコマのはずだが…。ゕメリカ版だから間違えたの? と思って調べてみたらこのシリーズではタチコマというらしいですね。実際デザインもちょっと違ったし…。 そんなことはさておき、わたしはフチコマ(タチコマ)が大好きで、これはAIを搭載された一種の戦闘機なんですけど、AIなので「死」やしたがって「時間」という概念がわからないんですよね。このエピソードでは、こっそりぬけだした一機のタチコマが、行方不明になったロッキーという犬を探しているミキという少女に出会い、一緒に犬を探すところから物語が始まります。一生懸命探すんだけど、犬はいない。ミキがあそこにいるかもしれない、といってタチコマを案内したところは、墓地。そこには、ロッキーと刻まれた墓碑があった。実は、ミキが留守中に愛犬は死んでしまっていたのだ。しかし、ミキの両親は、ミキが悲しむと思って「行方不明になった」と説明したのです。ミキは「ロッキーは死んだんだ」と悟るものの、散歩用のリードをもってロッキーを一生懸命探していたのだった。犬の墓の前で涙ぐむミキを見て、タチコマはぼんやりと「死」というものを知る。 というのが前半のお話です。後半は、犬を探しているときに市場でタチコマが見つけた電脳に記録されていた映画監督の話をめぐってのエピソードになります。 で、これを見ながら、特に前半が面白かったんですよね。というのも、ロッキーの話のエピソードって、黒柳徹子の『窓際のトットちゃん』へのオマージュじゃないかと思って。あの本は好きで小さい頃よく読んでいたんですけど、特に印象深かったのが「ロッキーがいなくなった」という章だったんですね。トットちゃんが飼っていたシェパードのロッキーが、トットちゃんが留守中に死んでしまったんですね。自宅に帰ってきてロッキーを探すトットちゃん。ロッキーがいないのでお母さんに「ロッキーはどこ?」と聞くと、お母さんはちょっと困った顔をして、「それが…いなくなっちゃったのよ」というエピソードなんです。トットちゃんはその瞬間「ロッキーは死んだんだ…」と察知するのですが、親がトットちゃんを心配して嘘をついていてくれることもわかっているので、「どこにいったのかなあ~」といって部屋に帰ると、ぬいぐるみにロッキーがじゃれついたときについた毛が残っていて、それを見て号泣する、という…。うう、これを説明していてまた涙が…。 小さい子が、初めて身近な「死」を経験する、というこのエピソードが攻殻の中でよみがえっていてなんだか嬉しかったわたし。 さらに、このエピソードについていろいろサイトを見ていたときに、また面白いことが。犬を探しているときに、ミキがタチコマに「秘密の金魚っていう話を知っている?」といって、自分が買った金魚を誰にも見せない子どもの話をしたんですよね。ゕニメの中では、誰にも見せない理由というのは、実はその金魚は死んでいて、死んでいることを誰にも見られたくなかったから、というように「死」と結びつけた話になっていたのですが、こちらのサイトを拝見して、それがサリンジャーの『ライ麦』に出てくる下りだったことを思い出しました。うかつにも、サリンジャーは思い浮かばなかったんだけど、そうそう、そういえばあったなあ~(サリンジャー・フゔン失格…)。 そういう意味ではたぶん後半の映画監督のエピソードもなにかあるんだと思うのですが、誰か知っていたら教えて欲しいなあ 本文来源:https://www.wddqw.com/doc/e991da85bceb19e8b8f6ba4e.html