先生、ありがとう、ございました。 一年間、いろんなことを教えてくれて、 いや、俺、昔から、スゲー馬鹿で、小学校のときのせんこうも、中学校のときのせんこうも、みんな、諦めをしたんですよ。 あいつは馬鹿で、不良で、どうしようもネーって、 でも、先生は一度もあきらめなかった。 そんな、体が小ちゃいのによ、 シツケっつうが、ウザデっでいうか、 スゲーて手ごあい敵で、 ――なにを、敵って、 いつも本気でよ、 こんな真正面から本気でぶつかってきてくれるやつ、いなかったぞ。 俺、それが、スゲー嬉しくてさ、 なのに、なのに、もう 本当にすみませんでした。 最後まで、迷惑、掛けっぱなしで、 ――本当よ、本当に、迷惑、掛けられっぱなしだった。 初めての担任だっていうのに、 本当に、すっごく大変で、 すっごく楽しかった。 もう終わりなんて、なんか、寂しいわね。 泣かないでよ。しっかりしてよ。年上でしょう。 ――すみません。 みんなに、よろしく、お伝えください。 なんも言える言葉ないけど。 ――わかったわ。伝えとく。 南先生、久しぶりの日記です。あと一週間で卒業なんて、信じられません。そういえば、入学した最初のころは、いつかクラスのみんなをぶっ殺してやりたいと思ってた。特に星野君と諏安部君と安原君が許せない気分でした。でも、安心してください。今はぶっ殺す気はありません。先生はこの日記を心のキャッチボールと言ってましたが、一年間学校に通ってみて、僕はクラスのみんなとキャッチボールをした気分です。その中で一番覚えてるのはやっぱり桜なんとかと力をあわせて、空を飛べたことです。ほかにも僕の頭じゃ数え切れないほどいっぱい思い出があって、みんなでバスケットで優勝したこと、一緒に追試の勉強をしたこと、「今日の夕日はいと哀れなり」、夏休みの特別講習、肝試し、アグレスロードに、アグレスプリン、そして文化祭、誕生日に歌ってくれた歌、楽しいことも悲しいこともいっぱいあって、そのどれもこれもが忘れられない思い出です。 「青春なんか、知らなきゃよかったよ。」 「いつかその悲しみを乗り越えられたときに、あなたはきっと今よりもっと強くなれる。」 だから、先生に感謝しています。 先生の言うとおり、毎日学校に行って、本当によかった。 三年A組最高。 みんなと一緒に卒業することができることになって嬉しいです。 卒業式には先生を驚かせるプレゼントを用意するつもりです。 明日、桜なんとかと星野さんに相談してみるつもりです。 だから、あと一週間先生も楽しみにしていてください。 今はいないけど、榊君は確かにここにいました。 彼が私たちを変えたこと、私たちが彼を変えたこと、 そうやって27人、みんなで三年A組を作ったこと、 素敵な思い出が、素敵な出来事が、たくさんあったことを、みんな忘れないでください。 なかったことになんてしないで。 みんなは、みんなが、これから、どんな道を歩んでも、 一生私の自慢の生徒です。 それじゃ、解散。 本文来源:https://www.wddqw.com/doc/361a73c09ec3d5bbfd0a7423.html