８０年代における日本バブル発生の背景 1. バブルとは何か.まずは、通常のバブルの定義から見ていこう。バブルとは、一般に、現実の資産価格のうちファンダメンタルズでは説明できない部分、あるいは資産価格がファンダメンタルズから乖離する状況を指す。 2．バブルの発生 80年代後半、地価や株価の上昇が大幅かつ継続的なものとなるにつれ、国民全体に、さらなる値上がり期待が高まっていった。この価格上昇期待が、株式投機による財テクブームや地上げなどによる過度な土地投機につながり、自己増殖的に資産価格を上昇させた。資産残高の著しい増加は、消費面では資産効果により耐久消費財を中心に消費額を増加させ、企業にとっては資産の担保能力の増大により新たな事業展開や設備投資のための資金調達を容易にした。 3．バブル発生の背景 バブル発生の背景には次の三つのことがあげられる。 第一は、最初ん段階で、バブルではなく経済的に正当な理由で資産価格が上昇していったことである。当時の経済条件を振り返ってみると、①８７年以降、景気が急回復する中で企業収益が大幅な増益を続けたこと②情報化、金融化などの中で東京都心部におけるオフイスブル需要が増加したこと③金利が大幅に低下したことなど。資産価格上昇要因が重なっていた。 第二は、資産価格についての上昇期待が自己増殖的に高まっていったことである。長期にわたる金融緩和により、金融機関の融資姿勢が積極化したものの、70年代半ば以降製造業の銀行離れが進んでいたため、中小企業や個人向け、さらには不動産業やノンバンク（リース、信販、住宅金融会社等) 向け貸出が急増し、結果的に、土地・株式に対する投機行動を資金面から支えることになった。 ★ 第三は、金融を供給する側からみると、８０年代に入って金融に自由化が進展した。 85年のプラザ合意以降、金融の自由化、国際化が進む。当然ながら金融機関にい競争は激化し、金融機関は「従来型の受け身の業務展開では収益を確保できない」という危機感を強めていったのである。 ★ 本文来源：https://www.wddqw.com/doc/d9a52346a8956bec0975e364.html