羅生門における下人の心理描写 芥川龍之介は大正時代の日本文壇の重要な作家であり、古今東西にわたる広い知識を持って、短編小説を数多く執筆した。私がよく知っている円満な結末である小説とは異なり、彼の小説は読者が想像できない結末でいつも終わるのだ。彼は、人間の精神面を題材としていた。生命そのものを深く考え、人間性を詳細に鋭く観察して、その中にある人生観を深く洞察したのである。 羅生門を読み終わって、短編だが深い寓意を含んだ物語だと感じ取った。芥川龍之介は、今昔物語を素材とし、下人が善悪を選ぶときの微妙な心理活動の変化を細かく描写して、人間の利己主義や下劣な面などの直視したくないものを表現している。 羅生門は、自然災害と人災が横行しておりまた乱世でもあった平安時代の末期の話である。善良で一般的な人間 人である下人は自分の主人に暇を出されて、生きる方途が見つからず、衣食も足りなくなり、暮らしの苦境に直面して、「どうにもならないことを、どうにかするためには、手段を選んでいるいとまはない」という考えに至る。しかし、そのような時でも、彼は「盗人になるより他にしかたがない」ということを積極的に肯定するだけの勇気と胆力がなかった。その時の下人は、掟を固く守る主義を持っていたこともあり、盗人の道へ行くかどうかをまだ迷っており、とても決められない状況だった。下人は羅生門の楼の上に登った時、老婆が死人の髪を抜き取ったのを見て、「倫理的には、それを善悪のいずれに片付けてよいかわかなかった。しかし、下人はその雨の夜に、羅生門の上で死人の髪の毛を抜くということがそれだけで既に許すべからざる悪である」と感じて、老婆を取り押さえる。その時、下人は自分が盗人になろうとしていたことさえ、忘れていた。下人は、それまで気付かなかったモラリストの一面を発揮する。明確な道徳がを持っていないにもかかわらず、あらゆる悪に対しての憎悪が湧き上がる。それから、下人は「老婆の生死が自分の意志に支配されている」ことを意識したことから憎悪の心が冷めて、「ある仕事をして、それが円満に成就したときの、安らかな得意な満足心」に浸ってしまった。悪に対して怒りを覚え、悪人を取り押さえた自分の行為に満足し、相手を赦免しようと思う一連の意識の推移には、ヒロイズムが潜んでいると思う。しかし、赦免した老婆の口から出ることを期待したが、予想に反して、老婆の言いかたが「平凡」であっため、がっかりする。その時、下人が抱いた思いは失望、憎悪そのものだと思う。下人は、更に老婆が言う「仕方がなくてすることじゃわいの」などの発言に対し、「嘲るような声」で「きっと、そうか」と念を押す。自分のヒロイズムを満足させられなかった失望の思い。善行を施すにふさわしくなかった老婆に対しての軽蔑が、下人が盗人になる下地を用意する。最後、下人の「では、おれが引き剥がしをしようと恨むまいな、おれもそうしなければ、飢え死をする体なのだ」というときの悪人ぶりに対して、何らじめじめした陰惨さも認めることができない。生きるために、何をしても良いというエゴイズムが明らかだ。「下人の行方は誰も知らない」と言って、小説が終わった。本当にあの人の行方は知らないが、彼は盗人になるに違いないと思う。、彼は盗人になる違いないと思う。 芥川龍之介は人生 について、随分考えていたらしい、人間は一体何のために生きているか、人間の本質はなんだろうか、読者に深い考えを呼びおこさせる。 調和した生存の自然環境が壊された後は、人間性の「善良」はいつも「悪」に負ける。善と悪は、簡単に判断できない。普通の人は自分の利益に照らして選択するのである。純朴な気風と暮らす方法がある社会 では、人間は善良を願うのと同時に、罪悪を憎しみの対象にして、尊厳を持って 生きる。それに対して、貧しく不公正で悪い気風の社会では、罪悪感から解き放たれて、善良と正義は飾りもの或いは言い訳になになってしまうのだろうと思う。 人間関係の絆を大切にする 「三丁目の夕日」という映画を見てから、ほぼ半年が経った。。しかし、その映画のストーリーは今も私の心に深く印象づけられている。特に、茶川と同じ町内に住む人々の親しい近所づきあいを見て、私の胸に熱いものがこみ上げてきて、心も癒されるような気がした。思わず、自分も彼らと一緒に生活したら、毎日心から幸せだろうと思った。 「現代人は生活が豊かになってきているのにつれてかわいそうになってき ている。」これは私が以前読んだ日本人が書いた文章の中の一節だったが、初めてこの文章を読んだ時は意味がわかったようなわからないような気がしていた。この映画を見て初めて、段々分かってきて、納得もできるようになった。昔の日本や今日のほかの国で楽しまれていることは現代の日本人にあまり楽しまれていないようだ。実は、中国の場合も、同じだと思う。子供 のころ、私は映画のストーリーと同じで、放課後、 近所の子供と一緒に遊んだり、隣人の家で食事をしたりして、家に帰ることさえ忘れたことがある。隣人たちとの深い絆の中で育ってきた人はきっとあの時の情景を長いこと忘れることができなかったと思う。現代は、人は家に帰ってテレビとインターネットだけを楽しみにしている。そのため、人間関係がだんだんと薄くなってきている。 私はこの映画のように深い絆が再び実現されると信じている。現代人に足りないものは人情ではなく、勇気だ。誰かが辛い時にそっと声をかけてあげる勇気そのものだ。勇気を出して、真心を込めて人と付き合うべきだと思う。。そうすると、どんな時でも、自分が幸せに生活を送っていることをしみじみ感じることができる。。 私達が自分だけでこの世界に生きているということは決してない。家族や他人の間をつなぐ絆の中で生きていると思う。弱った時には力を与え合い、また嬉しい時には喜び合って、どんな時もこの強い絆を大切にしながら、それぞれの人生を過ごしていけたら、最高だ。 本文来源：https://www.wddqw.com/doc/03b73d3ea5e9856a561260a4.html