02.「一寸法师」- 铃木达央 (日版)

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2.「一寸法師」ストーリーテラー:鈴木達央

外は寒かったでしょう。今、この暖かい汁(しる)を装(よそ)ってあげますね。すみませんが、そこにある箸と御碗を取ってくれませんか。そうですね。その漆塗(うるしぬり)の御碗と箸です。そういえば、昔々、そういう話がありました。

昔々の話。あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。子供がいなかった二人は、いつも神様に御参(おまい)りして、「どうぞ、私達に子供をお授(さず)けください。どんなに小さな子供でも結構です。」と祈っておりました。するとある日、おばあさんの親指がプックリプクン、と膨(ふく)らんできて、そこから小さな小さな子供が生まれてきたのです。丁度、おじいさんの親指ぐらいの男の子でした。「なんと、まぁ、この子は~身の丈(みのたけ)一寸、小指の大きさ。」二人は早速(さっそく)、この小さな子供に「一寸法師」と言う名前を付け、大事に大事に育(そだ)てました。幾度(いくたび)正月が巡(めぐ)ってきても、一寸法師は小さなまま。二人は不思議に思いましたが、それでも幸せに暮らしていました。 ある日の事、一寸法師はおじいさんとおばあさんに言いました。

「お願いがあります。どうか、私を都(みやこ)へ行かせてください。広い世間(せけん)を見てみたいのです。」

そこで、おじいさんは一本の針で一寸法師に丁度ぴったりの大きさの刀(かたな)を作ってやりました。おばあさんは可愛い木の御碗を河に浮かべて、一寸法師の乗る船を作ってやりました。

ギーチャ、ギーチン、ギーチラコ、櫂(かい)の代わりに、お箸を握り、一寸法師は都を目指して旅立って行(ゆ)きました。

暫くして、都に着いた一寸法師は都で一番立派なお屋敷を訪(たず)ねていきました。玄関口(げんかんぐち)はシーンとしていて、人の気配(けはい)がありません。そこで、ズンンズン庭先(にわさき)まで入っていきました。

「頼もう、頼もう!」一寸法師は大きな声で叫びました。「頼もう、頼もう!」

すると、座敷(ざしき)の奥から、殿様(とのさま)が出てきました。「変だな、声はすれど、姿が見えぬ。」 「ここだ、ここだ。高足場(たかあしば)のそばだ。」

「何?何処じゃと?」殿様が高足場のそばを見ると、針の刀を腰に差した小さな男の子がいるではありませんか。

「私の名前は一寸法師!この屋敷でご奉公(ほうこう)さしてください。」

「ほほ、体は小さいが、随分と元気な男の子じゃな。姫の遊び相手に丁度良かろう。」

こうして、一寸法師はお殿様の屋敷で姫様の遊び相手になったのでした。それからと言うもの、一寸法師は姫様に可愛がられて暮らしました。どんな時も、姫様と一緒です。

「お呼びでしょうか。姫様。どちらをを怪我なさったのですか?花の棘(とげ)で指を?あ、見せてくださいますか。あ、御可愛そうに、血が出ています。棘も刺(さ)さったまま。姫様!私を姫様の膝(ひざ)に乗せていただいてもよろしいですか?この針で棘を取りましょう。少(すこ)しだけ千クンとしますよ。この棘は余程(よほど)姫様から離れたくないらしい。姫様の指の奥の奥に、ずっぷりと深く刺さったままです。どれ、この棘をこの私の針で穿(ほじく)って見ましょうか。よ~し、取れました。姫様!申し訳ありません。痛かったの


ですね。あ~姫様の味がします。はい、これで大丈夫。暫くすれば、血も止まります。姫様、まだ何処が痛(いた)むのですか。いけない姫様ですね。」

姫様のお相手をしているうちに、随分(ずいぶん)と手習い(てならい)もうまくなりました。ある日の事。姫様は清水寺(きよみずでら)にお参りに行く事になりました。勿論(もちろん)、一寸法師も姫様のお供(とも)として、お寺に行く事になりました。お参りを済ませた帰り道の事。突然、太(ふと)い金棒(かねぼう)を持った大きな赤鬼が現れ、襲い掛かってきました。雲をつくように、大きな赤鬼はお姫様を見ると、「これは綺麗(きれい)な女だ。貰っていくとしよう。」あっという間にお伴の者をけちだし、姫様を捕(と)らえてしまいました。「ハハ、泣いてわめいだって、無駄だぜ。」鼻息(はないき)も荒(あら)く、太い金棒をさらに大きくして、赤鬼は姫様を攫(さら)おうとします。

「赤鬼め、そうはさせないぞ。姫様を守ろうと、一寸法師が叫んでも、赤鬼は嘲笑(あざわら)うだけ。「姫を帰せ!」一寸法師はおじいさんに貰った針の刀を抜くと、赤鬼に飛び掛りました。ところが、

「小さな虫め。お前なんぞ、こうしてこれわ!」なんと、赤鬼は一寸法師を摘(つま)めあげるとパックンと丸呑(まるの)みにしてしまったのです。

「ア~」等々(とうとう)、一寸法師は赤鬼のお腹の中に飲み込まれてしまいました。しかし、ここで負けるようにな一寸法師ではありません。 「こっでもかえ!」

一寸法師は針の刀を振り回し、赤鬼のお腹の中を刺しまわりました。これにはさすがの赤鬼も堪(たま)ったものではありません。 「これでもか!」

「いてい(痛い)。。いてぇ。これは堪(たま)らん。」

一寸法師の針攻撃に赤鬼は慌てて、一寸法師を吐き出し、一目散(いちもくさん)に去っていきました。そして、赤鬼が行ってしまった後に、不思議な物が落ちているのを姫様が見つけました。

「それは、何ですか?なんと、それが打ち出(うちで)の小槌(こづち)。ほしい物が何でも手に入れるのすか。私ですか。私~私は。ア。そうだ。姫様、私の体が伸びるように、背出ろ、背出ろと、そういって振ってください。」

するとどうでしょう。一寸法師の背は振れば振っただけ、グングンと伸びて、等々、凛々(りり)しく、美しい若者になりました。

「お~本当に大きくなった。ア、どうです?大きくなった私は。姫様、喜んでください。もう私は一寸ではありません。はい、もう十分大きくなりましたから、姫様をたっぷり喜ばせてあげられます。」

そうして、一寸法師は姫様と結婚して昼も夜も仕事を頑張り、大変出世(しゅっせ)したと言う事です。 めでたしめでたし、お終(しま)い。

めでたし[連語]物事が無事に、また、よい状態に終わったときにいう語。 めでたしめでたしとは昔話の終わり方。

*下划线不确定的部分。下滑线+黑体听不清楚的部分。


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